北米グリーンランド・クストース補給基地
「報告は聞いたが、西海岸で出会ったネクストとは、本当にジョシュアだったのか?」
「ああ、ロスで任務に当たっていた最中に現れ…」
「そして、成り行き上、彼女を拾ってきてしまったと…?」
補給の為、ゼクセンは所属元であるレイヴン派遣組織「クストース」本拠地、ニルヴァーナに帰還。先の任務の詳細を報告していた。
司令室にはレイヴンが3人、一人はゼクセン、もう一人はかつてアーク時代にゼクセンの師匠的存在であったイツァム・ナー。そして……
「報告は以上だ、烏大老。次の依頼が来ているはずだが…」
「ああ、来ているといえば、来ているが……。小僧、今回は降りた方がよい」
「どういう意味だ?」
「次の依頼はアームズフォートの破壊ミッションだ。小僧の機体はノーマル、戦力からして奴に挑むのは無謀すぎる。ここは、リンクスに任せる以外無い…」
「リンクスならいる、やらせろ」
「彼女……確か、ゼロナンバーズのリンクスだったな…」
烏大老の話によると、ゼロナンバーズとは、高いAMS適性を持つリンクスに対抗し、量産化を前提として簡易調整を受けたリンクス達の総称。強化人間「プラス」の技術を応用することで、擬似的に高度なAMS適性を引き出すことができるらしいが、代償として当人達は人間的生活を奪われる。
しかし、奇跡的にも今回救出した彼女は、初期段階で逃亡したため、人格的欠如はみられなかった。
烏大老から止められたアームズフォート破壊任務、撃破目標となるアームズフォートはGAの「グレートウォール」。
データによるとグレートウォールとは、列車型のアームズフォートで全長は最大約7kmにも及ぶ名の通り「壁」である。リンクスの僚機同行を条件にグレートウォールの破壊ミッションに赴く。
「保護していきなり戦場に行かせてすまないな…。だが、ネクストに乗っている以上は酷だが我慢してくれ、俺も出来るだけは守ってやる」
「大丈夫です……、戦うのは初めてじゃないから……」
「心配いらないならそれでいいが、寡黙だな?」
「……喋るの…苦手なの」
「口下手ってことか…、まあいいや、とりあえず、笑った顔ぐらいは練習しとけ、宿題だ」
「宿題……」
「(きりがないな…)」
北米旧アメリカ・北部平原
ニルヴァーナから数十分経た場所、五大湖の南に位置する広い平原地帯で二人は目標となるアームズフォートを発見する。
「……二人とも、準備はいい?」
「俺はOKだ」
「私も大丈夫です」
ミッションスタート
輸送機から降下した2機は、事前に打ち合わせした役割に回るため、それぞれの場所に降り立つ。
「マオ、お前はその機動力で奴の注意を反らしながら可能な範囲で、砲台を破壊しろ。俺は直上からそっちの死角となる部分に攻撃する」
「わかった…」
「(マオにとっての初陣の相手がアームズフォートていうのは、やはり酷だったか…?いや、あいつはやれるさ、俺の見込み違いでない限りはな…)」
「敵特殊兵器を確認、アームズフォート・グレートウォールです。高低差による砲撃に注意してください」
マオのネクスト「ミネルヴァ」のAIが、グレートウォールに関する情報を割り出し、戦術データが示した攻撃パターン通りに従い、的確に命中させていく。
ミネルヴァはライフルとショトガンに両肩はスナイパーキャノンといった遠距離タイプ。しかし、保護者であるゼクセンに似たのか、武装全てが実弾系で占めている。EN配分を全て機体制御に回し、高火力と高機動の両面の確保に成功した。
「敵アームズフォート、残存戦力約48%…、敵増援を確認…」
「マオ、悪い…デカブツからネクストが発進した。奴ら護衛に、とんでもない隠し玉を持ってやがったみたいだ。アームズフォートの残りは俺が抑える、お前は出撃した敵ネクストを撃破してくれ」
「わかった……、レイラさん、敵ネクストのデータ…送って下さい」
「大丈夫なの?」
「やってみます。ゼクセンのお礼、まだしてない」
「アリスとは正反対の性格なのに、結構、可愛いとこあるわね?」
「レイラさん、データを…」
「あ、ごめんなさい。敵ネクストのデータよ」
「敵データ……、リンクスNo.39、カルナス・レイバーグ。搭乗ネクスト、ヒューペリオン」
「ヒューペリオン…だと?」
「ジュン、知ってるの?」
「ヒューペリオンは、俺がまだ火星で、フライトナーズに居た頃、隊長を倒したレイヴンだ」
(後編に続く…)
- 2008/05/07(水) 18:20:21|
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